中身の無い鯉幟が実の無い話書くよ―

私、鯉幟(本名ではありません)が淡々と変な事書くブログでございます。センスも無ければユーモアも無い”実の無いブログ”ですがよろしくお願いいたします。 

【雑記】Magic: The Gatheringがなぜ高いのか

 

はじめに

うたのおねえさん:一人で楽しめるけど、一人じゃ遊べないものってな~んだ?

うたのおねえさん:うん! そうだね! クソ雑魚陰キャ御用達のTCGトレーディングカードゲーム)だね♪
 
なんともイラつく初句から始まった駿河台鯉幟のブログですが、今回のテーマはずばり「カードゲーム」
 
遊戯王を筆頭に、ポケモンカードヴァンガード、バディファイトにヴァイスシュヴァルツ、シャドウバース……と熱は冷めることを知らず、勢いを増す一方なTCG業界。
今回は、その中の一つ、
「世界で初めて生まれたカードゲーム、カードゲームの始祖」こと、
Magic: The Gathering(マジック・ザ・ギャザリングを紹介させて頂きます。
 

 

通称"MTG”だったり"マジック"や"ギャザ"と称されるこのカードゲームを私駿河台鯉幟は趣味の一つとして遊んでいて、始めてからざっと4年が経ちます。
オタク気質がある人間が新しい趣味を見つけると恐ろしいですね。
尋常じゃないスピードで沼に浸かっていく。むしろ飛び込んで喜々として潜っています。
後悔はしてますが、後悔はしてません(??????)
などと、支離滅裂な供述をする鯉幟ですが、
よく飲み会の場であったり、職場の自己紹介の場などで話のネタとしてmtgを話題にあげることがあります。
「名前は聞いたことあるけど、よく知らない」という方が多かったり、"とある話題性"を抱えたコンテンツなので、オタクじゃない人に向けても結構盛り上がり、場のつなぎとして活躍しているからです。
 
ブラックロータスだっけ? 持ってるの?」
「なんだっけ……あのむっちゃ高いカード……黒いタンポポみたいなやつ。やばいよね、たしか……」
「それTwitterでみた!! 600万とかすんでしょ!?」
「いやあ、札束で殴り合う貴族の道楽よねぇ」
 
ってな感じで……。
そうです。皆口揃えてmtg=高い。バカ高い」という方向で掘り下げてきます。
最近、日頃別のカードゲームを遊んでいる知人が興味を示し、僕に尋ねてきたんですが、
「遊ぶためにかかる予算」について説明したところ、即ドン引き。
結局「やっぱないわ……」と突き放されてしまう始末。
悲しいかな……今までギャザを誘って続けてくれる友人は片手で数えられるほどです……。
まじでみんな「高い」しか言わない……。
と、いうわけで。
一般人から見たら非常識なスケールを誇る"おもちゃ"に対しての「なんであんなたけーの??」という疑問を解消させたい!
題して、
 
マジック・ザ・ギャザリングはなぜ高いのか?」
 
mtgについて説明を交えながら、このカードゲームの「高さ」の秘密について独断と偏見に凝り固まった思考で紐解いていこうと思います。
 

MT:G ギャザについて

いきなり「なぜ高いか」について取り上げても理解しづらいので、
まず初めに、mtgについて「どういうものか」さらっと触れていこうと思います。
 

世界で最初のカードゲーム

遡ること約29年前、ウィザーズ・オブ・ザ・コースト社のCEOであるピーター・アドキンソン氏の考案によりmtgは誕生する。
彼は元々システムアナリストとして航空会社に努めていたが、テーブルトークRPGへの好きが高じてこの会社を設立。
1993年に初めての製品版『α版』を販売。翌年の世界大会を期に日本にも流通経路が生まれ、ホビージャパンと角川が先陣を切るようにして市場を展開していく。
(ちなみにこの2.3年後くらいに遊戯王が連載を開始する)
現在2022年までに100を越えるシリーズを販売し、ここ数年では『D&D』や『The Walking Dead』、『Stranger Things』など他メディアとのコラボを実施したりとコンテンツイメージを広げている模様。
 

マナを消費して魔法やモンスターを唱えよう

mtgは60枚の紙のカードで構築された"デッキ"を用いて対戦する。
ここで重要なのが、mtgのコンセプトを知ることだ。
それは「プレイヤーは魔法使いである」だ。
このカードゲームはTRPGの一面を見せており、各プレイヤーはmtg世界にいる魔法使いとして表現されている。
mtgはいわば魔法使い同士の戦いなのだ。
プレイヤーは魔力を消費して様々な魔法、強力なモンスターを召喚したり、相手の行動を妨害する魔術を唱えることができるのだが、
もちろん相手も同じように魔法を唱えることができるので、相手の行動に合わせて唱える魔法を選んでいかなければならない。
つまりmtgは魔法合戦をして勝敗を決める戦いなのである。
ここでいう魔力というのは、大地から発せられるマナエネルギーと呼ばれるもので、
魔法使いであるプレイヤーは呪文を唱えるためにマナエネルギーを得られる土地を有する必要がある。
なので、mtgのデッキはざっくりと
 
①呪文を唱えるために必要なマナエネルギーを生める『土地カード』
②土地カードからのマナを使用して唱えられる『呪文カード(クリーチャーや魔術)』
 
この2タイプで形成されている。(詳しく分けるともっとある)
 

基本ルール

シャッフルされた60枚のデッキから最初に"7枚"引き。お互いのターンにデッキからカードを1枚ずつ引きながら呪文を唱えあい相手のライフを削りきった者が勝利
もちろん呪文を唱えるためには「マナ」が必要なので、マナを生み出せる「土地カード」を持っていないといけない。
つまり「土地と呪文を上手い塩梅で引きながら相手へ攻めこむ」のがmtgの基本スタンスとして組まれているのだが。
必ずしも上手い塩梅で両者をひけるとは限らない。
土地ばかり引いてしまい、ろくに呪文を唱えられなかったり、呪文ばかりひいてマナを出せなかったりなんてことも起きる。
そんな運要素に振り回されながら、相手との魔法合戦に打ち勝つmtgだが、
超高速で相手のライフを削りきったり、相手に抗う術を与えるすきを与えず掌握勝ちしたり、相手のデッキを削りきり特殊勝利をするなど、デッキタイプによって勝ち方異なるのもmtgの大きな特徴である。
アグロ、ミッドレンジ、コントロール……etc TCGを遊んだ経験がある者なら一度は聞いたことがあるアーキタイプのジャンル名だが、これらの多くはmtgアーキタイプがもととなっているだろう。
 
とまあざっくりというわりに、ぐだぐだ長文をのせてしまいましたが、
mtgの概要についてはなんとなく理解してくれたでしょうか。
初めての方に向けて、僕なりの解釈を織り交ぜての説明となっていますので、表現が曖昧な点があることをご了承下さい。
より詳細について知りたい方は公式HPをチェック。
そして、次からは本題である「mtgの高さについて」掘り下げていこうと思います。
 
 

数字から見る価格の高さ ~有名な高額カード~

一般の方々から見たmtgのイメージ代表とも言える「高額カード」について触れていこうと思います。
 
BlackLotus
まずは誰しもが知っている、親の名前よりも耳にしたわけではないけどそこそこ聞いてる"BlackLotus”

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verによって値段幅は大きくありますが、30000000円
さんぜんまえん。
よくある高額カードというのは、「世界に一枚しかない」だったり「とある世界大会で獲得できる限定カード」というものが数多くありますが、
このblack lotusはそんなことはなく、"実際にお店で販売されたパックから出たカード"です。
そして、ルール上実際にデッキに入れて使用できます。ここも他の高額カードと大きく異なる特徴ですよね。
デッキは60枚構成ですが、内の1枚の値段が3000万。
もう少し掘り下げると、先述したverによっては100万円から購入できるものも存在するので
実際に使用するものはそちらを使っているプレイヤーがほとんどです。
されど100万円……。スケールがおかしいですよね(汗)
 
Time Walk
続きまして、おそらくBlack Lotusの次に名前を聞いたことがあるであろう"Time Walk”
こちら一つ桁が減って3000000円
さんびゃくまんえん。もちろんこちらも"実際にお店で販売されたパックから出たカード"です。
当然実際に使用できます。
 
他にも”Ancestral Recall"であったり有名なものは他にもありますが、割愛。
分かりやすく紹介してくれている動画を見つけたので、より詳しく知りたい方はこちらをどうぞ。

www.youtube.com



さらっと連続して紹介しましたが、これ「紙でできたカード」ですからね?
決して純金であったりダイヤモンドといった素材自体に価値のあるものを使用しているわけではございません。
水をかけたらふやけてしまいますし、ちょっとでも変な方向に力を加えたら曲がって折れてしまいます。
そんなものが3000万円……。世界がいかに広いか思い知らされますよね……。
では、これらがなぜ高いのかというと、
mtgの概要説明で述べた「世界で最初のカードゲーム」の「最初のパック」から出たカードだから。というのが理由の一つに挙がります。
カードゲームの歴史はざっと30年ほどと浅いですが、
現在までに世に出てきTCGは数え切れないほどあり、それらの前身とも言えるこのカードは歴史的観点からみても非常に価値があるというわけです。
そしてやはり「実際にプレイで使われている強カード」というのも大きいのではないでしょうか。
先述した通り、ルール上3000万円するカードでも使用が認められており、該当する遊び方では間違いなくデッキリストに入る一枚であり、これらは無類なき強さを発揮します。
実際、世界中にマニアがいるmtgでは「それでも遊んでみたい」という猛者は少なくありません。
また、この遊び方の公式大会も定期的に開催されているので、需要がなくなる可能性が低い分、値段が下がることがないわけなのです。
 
 

数字から見る価格の高さ(~普通にプレイするには~)

いきなり3000万円のカードをご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。
といっても、上記のものはmtgにおいて数ある遊び方のうちの少数のルールでしか使用できないので、
他の遊び方をメインとするユーザーの大多数においてはあまり関係ない話なんですよね。(遊ぶ上では)
ではその大多数のユーザーと遊ぶためには幾らくらい必要かというと

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またもやmtg専門店として有名な晴れる屋さんが、各フォーマット※によってデッキ販売コーナーを用意されていたのでこちらを引用します
 
スタンダード:3~5万円
イオニア :3~8万円
モダン   :5~15万円
レガシー  :15~40万円
 
※フォーマット:遊び方の種類名称のこと。
上記は対戦ルールは同じだが、使用できるカードの種類が異なるものです。
↓に行けば行くほど古いカードが使用でき、種類が増えていきます。
 
恐らく「スタンダード」フォーマットが他のTCGシリーズとの相場に近いかと思われます。
遊戯王も強くてレアリティの高いカードを集めたデッキを作ろうとすると、このくらい費用がかさみますよね。
それでも「おもちゃに3万円」は学生から見ると非常に高額ですし、「大人が出せる金額」という印象が強いですよね。
そして、目を通してみてもわかるように、使用できるカードの種類が多いフォーマットになればなるほど、費用が上がっていくことがわかります。
これはなぜかというと、簡単にいえば『mtgは古いカードのほうが強い』からです。
他のTCGシリーズとは大きく異なる特徴なのですが、mtgで新録されるカードは『基本的に昔のカードよりも弱い』です。
理由としては幾つかあるのですが、簡単にいうと

①”BlackLotus”みたいな強いカードをまた世に出してしまえば遊びが崩壊してしまう
②”BlackLotus”みたいな強いカードをまた世に出してしまえば”BlackLotus”の価値が下がり、小売店の商売に大ダメージを与えてしまう
 
ようなものが挙がります。
当然「強いカード=高い」わけで、強いカードが多いフォーマットを始めるために掛かる費用はその分高額になっていきます。
なので、mtgはスタンダードを入り口として遊び始め、さらなる刺激を求めるプレイヤーたちが他のフォーマットに手を出していく流れが一般的ですね。
”BlackLotus”が使用できるフォーマットは「ヴィンテージ」と呼ばれ、500万円~1000万円帯のデッキが使用されています(?????)

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ちなみに僕は「モダン」を遊んでいるのですが、初めてデッキを作ろうと踏み切ったときは金銭感覚も一般人寄りだったので、
毎月2万円とか少しずつカードを買い集めて、半年ほどかけて完成させました。
 
 

なぜ高いのか(封入編)

それでは、"普通にプレイする"にもお金がかかることについて掘り下げていきましょう。
他のカードゲームと比べてなぜそんなにもお金がかかるのか、そこにはカードの単価に秘密が隠されています。
 
■1packの内訳  (300~500yen)
コモン:10枚
レアor神話:1枚
基本土地:1枚
 
(さらにトークンor広告カードが一枚封入しています)
※↓に行けばいくほど、レアリティは↑ 効果も強くなります。
 
■1box(36pack)の内訳 レアリティ降順(13000~15000yen)
コモン:各4枚ずつ?
アンコモン:ほぼ1枚ずつは揃いそう
レア:30~32枚ほど(ダブりなし)
神話:4~6枚ほど(ダブりなし)
 
■各弾の内訳 レアリティ昇順
神話レア:15~18(ダブりなし)
レア:約50(ダブりなし)
アンコモン:約60 
コモン:約90
 
これは
・1packの封入率
・1boxの内訳
・1テーマ(弾)の内訳
をざっくり数値化したものです。
多少の誤差はあれど、おおよそ記載した内訳になっています。
 
基本的にmtgは「カードが15枚入ったパック」から購入が可能です。
ただ、1パックずつ購入を繰り返してもレアカードが当たる確率が等倍なので、他のTCG同様にキリの良い数で一纏めにしたboxが販売されています。
そうすることで、各boxの封入率を均等にわけて、よりレアカードを手に入りやすくしたわけですね。
例えば、とある弾で収録されている神話レア15枚のうち、目当ての神話レアのカードが一枚あった場合、
1boxの中に平均で4枚封入されているので、4/15。 
1boxを買うと、およそ26%の確率で目当てのカードを引き当てることができます。
 
この中に多くのデッキに4枚採用が確約された神話レアのカードがある場合。
4枚揃えるにはおおよそいくらかかるかと想像したら、価格の高さがイメージしやすいと思います。
先述したように神話レアが手に入りやすいboxを買っても、目当ての神話レアが複数枚入っていることはなく、1枚入ってるか入っていないかです。
「必ず一箱で1枚当てる」と想定しても13000円のboxを最低4箱、72000円分買わなければ、デッキに組むことができないのです。
 
ではそのようなカードが小売店で販売されていた場合、単品でいくらの価値がつくのかというと、
上記の条件で、見積もられる単品での小売価格は平均4000円以上するかと思います。
boxの約1/3の値段ですね。 ちょうどさっきの26%に近い数値でもありますね。
ただし、4000円という数字は「この弾には、該当するカード以外にも強いカードもあって、いっぱい買われた人気box」という前提があります。
他のカードだけ欲しい人もいるわけで、いい感じに価値が分散していきます。それでもboxの1/3の値段ですが……。
逆にもしも、「この弾には、該当するカード以外は弱くて、買われない不人気box」だった場合、価値は跳ね上がり6000~10000円越えなんてこともあります。
boxの価値=該当するカードというわけですね……。
直近のものですと、13000円のboxで当たる神話レアのカードで予約価格が9000円というものがありました。

その逆も然り、予約価格は2000円で発売後の価格はは9000円なんてのも。
 
というように、mtg「目当てのレアカードをパックで引き当てるのに、他よりお金がかかる」からカード1枚の単価が高くなるわけなんです。
ましてや、モダンやレガシーといった使用できるカードが多いフォーマットはすでにboxが販売されていないものも多いです。
そうなってくると希少価値も相まってより高額になってきます(震え声)

それでも買う人がいる

これは半分都市伝説、肌感に近い推論ではありますが、
「高額でも買いたいと思うユーザーが数多くいる」のも大きいのではないでしょうか。
TCGの人口分布的にmtgは他のTCGよりもやや少なめです。
しかし、それにも関わらずカードが高額で取引され続けているのは、それだけ熱心なファンが多くいる証拠だと思います。
なので、Black Lotusの市場価値は今も尚高騰し続けており、当時の10倍、20倍近くまで跳ね上がっています……恐ろしい。
 
 

終わりに

mtgがなぜあんなに高いのか」無事理解できましたでしょうか?
私自身もまだまだ新参者なので、説明不足な点は多数あるかと思いますが、
これまたざっくりと大枠について触れられる内容になっているはずです。
もしもどこかでmtgの話題に触れた時、皆さんの周りで同じように疑問符を浮かべてる人がいたら教えてあげてください。
そうして一人でも多く、mtgに対して距離を近づけていってもらえれば幸いです。
そしてあわよくば、手にとって遊んでもらえるともっと嬉しいです。
そうです。あなたがmtgをのぞく時、mtgもまたこちらをのぞいているのです……。
mtgおよびmtgプレイヤーは皆様の参加を心よりおまちしております。
 
いやまぁ……「高いこと」は分かったけど、「高い問題」については何一つ解決してないんだよな……。