中身の無い鯉幟が実の無い話書くよ―

私、鯉幟(本名ではありません)が淡々と変な事書くブログでございます。センスも無ければユーモアも無い”実の無いブログ”ですがよろしくお願いいたします。 

【感想】終のステラ

 



はじめに

 
新年あけましておめでとうございます!!
 
なんて、言える時期はとうの昔に過ぎてしまった2月。
それも終盤に差し掛かった2月。
 
皆さんこんにちわ。
更新頻度が遅い駿河台鯉幟です。
今宵もなにかを綴るため、重たいゲーミングキーボードの位置を調整し始めました。
今回は最近プレイした『ノベルゲーム』が面白かったのでそちらの紹介と感想を残しておきたいと思います。
※最初からネタバレフルオープンになります。
 
 

終のステラ

key.visualarts.gr.jp

 
ノベルゲームブランドKeyから発売された「キネティックノベル」作品です。
なにやら従来のノベルゲームとは少し違った名称を謳っている本作ですが、
公式サイトによると、キネティックノベルとは
純粋なストーリーを動的な演出で楽しむ短編ノベル作品です。
高品質のシナリオと美麗なグラフィック、そして心を揺さぶる音楽による感情移入を追究し、キャラクターと世界観の魅力、そして感動をお届けします。
という説明がされており、
美少女ゲームによくある選択肢を選んで自分好みなヒロインとの触れ合いを楽しむ、ストーリーをクリアする遊び要素が含まれたシュミレーションゲームとは違い、
プレイヤーは自分が操作することによって作品に干渉するはことなく、クリックで流れてくる物語演出を見て聴いて楽しむビジュアルノベル作品という意味を指しているようです。
ぶっちゃけると、こういった類のゲーム自体は古くからあるので珍しいものでは全くないです。
ただ、一概に呼べる名称もなかったのでkeyさんがつけたのかもしれません。
 
 

あらすじ

人類が営む文明が荒廃した世界。
感情を捨て、理性のもと合理的に生きるジュードは、依頼遂行中に見た目や言動が人間と瓜二つなアンドロイドのフィリアと出会う。
彼女こそが依頼主が求めていた代物。彼女を依頼主のもとに運ぶのが彼の依頼内容だ。
暴力を用いらなければ多くを解決出来ないこの世で見せるフィリアの根拠なき博愛主義は、終始ジュードを苛立たせてばかり。
そんなジュードの足を引っ張っり続ける彼女の「感情」によって、ジュードの心は少しずつ揺れ動いてゆく。
 
 

どんな話?

SF作品でよくとりあげられる「アンドロイドに心はあるのか?」をテーマにしながら、主人公とアンドロイドのふれあいを描いた少しアクションありきなSFヒューマンドラマです。
世界の命運の握るアンドロイド少女を持て余す主人公が土壇場で世界と少女どちらをとるか、決断を迫られたりするようなお話。
 
 

感想

面白かったです。一本道のノベルゲームとしては満足の出来栄えでした。
とりわけ世界観、セリフ回し、構成と田中ロミオ氏の手腕が光っていたと思います。
少ないボリュームで、問いかけであるテーマ性を強調しつつ、一つの物語としても純粋に楽しめるもので、非常に高い完成度を誇っていました。
もちろんビジュアル、音楽面も決して悪いわけではなく、とても好きになったCGもあったりと引けを取らないくらいに高品質に作り上げられていました。
 
 
 
SF要素が高純度で盛り込まれていた
AIと人間が対立することによって、文明が荒廃してしまった世界を題材としており、
「なぜAIが生まれ、このような現状に陥ってしまったのか」を土台としてシナリオが展開されていくのですが、
その過程ともいえる世界感が重厚且つ丁寧に練り込まれていたと思います。
本作には、現代には存在しない架空のものが多数登場します。
それらにはちゃんとそこにあるまでの歴史があって、なぜそこにあるのか、今を生きるジュード達とどう関わりがあるのか、SF作品特有のガイドするような語り口で都度説明が入るのですが、
むっっっちゃ分かりやすかったです。容易に各所の時代背景を想像できるくらいには。
なので、脳内リソースを設定理解に注力することなく、ストーリーに集中できたと思います。
また、本作の世界観に対する解答が頭一つ抜けたような独創性のある切り口で、とても興味深い内容でした。
なんだか新しい知見を得られた気分で、男子心をくすぐられてましたね。
同時にそこでボロが出てきそうな点についても、ジュードが公爵に任務内容を確認するという体裁でフォローがされていて、考えられてるなあと。
ストーリーを読み勧めていく上で、こういった世界観の"穴"というのはどうしてもノイズになりがちなのですが、
それを一切抱くことなく、隙なく劇中で完結するように組み上げられていました。
そもそも、かなりスケールの大きいものだと思うのですが、短いボリューム故に理解できるギリギリラインまで情報を削減し、
且つSFを知らない人でも楽しめるようなシンプルなものに出来上がっている時点で相当凄いことだと思います……田中ロミオ氏の手腕に脱帽しぱなしです。
こういった土台があるからこそ引き出される魅力もあると思います。
 
 
 
フィリアに対しての「怒り」がトリガーとなって、ジュードの中に眠る多くの感情を呼び起こしていた、フィリアの感情器官に変化をもたらしていた
本作のテーマの一つとして、「フィリアとジュードが旅を通して人間らしい感情を手に入れる(取り戻す)教養小説」があるのですが、
全体を通してジュードの「怒り」が多くの起点となっていたのが印象的でした。
確かに「怒り」はわかりやすく見えて、形容し難く、多くの感情がないぜになっていそうですよね。悪意であったり、慈しみであったり、後悔であったり。
作中では怒りを通して、過去の妻の記憶と感情を思い出していたりと、望んで捨てたあの頃の感情を呼び起こしています。
人間らしい感情という側面で、「怒り」を始点としてフォーカスしているのは、ある意味他人とコミュケーションをとる生き物である人間特有のやり方なのかもしれません。
また、対象が一人、一つだけだと生まれてこない感情なので、この怒りが「感情を手に入れるためには"誰か"がいなければならない」という暗喩にもなっていて、
この作品が「ジュードとフィリアの二人の物語である」ことを強く推し出しているようにも捉えられるが良いなあって思います。
あと、個人的にノベルゲームで一番好きなシーンが「ヒロインと喧嘩する」シーンなので、いっぱい喧嘩してくれて嬉しいです。
 
 
 
普段意識せずに振り回してきた「感情」の存在意義、尊さを享受できる作品
「喜び」「悲しみ」「怒り」といった普段僕らが意識せずに抱く感情をフィリアが習得することで、より人間に近しい高位の存在として段階を上げていきます。
最初はそれをジュードと一緒に「こいつ立派に涙なんて流していやがる……」と驚くだけだったのですが、不完全なものから一つ一つ足りないパーツを拾い上げていく様子を見てると、
彼女に大きな変化をもたらす感情という要素はとても大きく、大切なものなんだなと強く思えてならないです。
先程の「怒り」にも通じるのですが、感情を見せるという点でフィリアがジュードに銃を向けたシーンがとても好きです。
目を赤く点滅させ、涙を流しながらも力いっぱいに銃を握りしめる彼女の表情は、感情の濁流で満ち満ちていて衝撃が走りました。
バックで流れるメロディがこれまた切なく、彼女の怒りにどんな感情が含まれているのかを暗喩しているようで、何気なく振りまいている感情がいかに尊いものであるか考えされました。
 
セカイ系でよくあるエンドを「ハッピーエンド」に振り切らずいい塩梅でまとめてくれた。
冒頭で満足の出来栄えと記すのは、本作がとても自分の好みなエンディングだったのが一番の理由かもしれません。
個人的な好みの話をしてしまうのですが、自分は"ご都合主義"がかなり受け入れられない人間のようで、
本作のジャンルでいう「セカイ系」でよくある「ヒロインとセカイを天秤にかけられるも、奇跡が起きて万事解決ハッピーエンド!! ヒロインも世界もよくわかんないけど平和!」みたいな理想郷エンドに納得できた試しがありません。
そういった点で従来の有象無象とは違い、本作は物事の重量を無視することなく、きちんと差し引きされていて、
「フィリアを救うためには、このくらいのリソースを割かなくてはいけない」と指し示していたのは非常に好感が持てました。
やっぱり、世界とフィリアを天秤掛け、フィリアをとった際の代償というのは世界と同等のものでなくてはいけないと思うんですよね。
実際、フィリア救うために選んだジュードの選択は十分に納得できる内容でした。「これか、世界の未来差し出すかの二択しかない」と思っていたので。
逆にもしも一石二鳥なウルトラCで全ての問題を解決してみせたら、僕にとっての作品の色は損なわれていたと思いますしね。
そして、一件落着した後の"余韻"は涙腺が刺激されっぱなしでやばかったですね……。
映画みたいというと稚拙な感想になってしますが、クリックしているのにテキストの調子でほんと映画を見てるかのような間を感じましたし、
ゆっくりと彼に残された時間が少なくなっているのを体感できました。そういうのが大好きなんです。
ほんと、良い往生際だったと思います。
 
 
雑感(プレイ中に残したメモっぽいものを箇条書きにあげときます)
・シンギュラリティマシン14200 tあるけど、地面支えられるの?
・「科学的条件を満たすというわけではなく、もっと根本的な意味合いで人間になりたい」と答えるアンドロイド→ヒトではなく、人。「人」を「人」たらしめる条件とはなにか
・「名前はフィリア」
フィリアとは愛、友愛を意味する。この時点でジュードと恋愛関係に落ちることはなさそう。
・対象が無知であればあるほど、良心がある人間が感情を刺激され庇護欲を掻き立てられてしまう。
・最序盤でこのお話の道筋を立ててくれたおかげか、話を飲み込みやすい。
・ゲーム起動音がデスストのメニュー表示/操作音みたい
・常に危険と隣り合わせであるがゆえに緊張を解いてはいけない日中とは違い、眠りにつく夜は穏やかに時が流れる。
 夜空に浮かぶ雲の隙間から見える星々の光と共に流れるBGMが良かった。どこか眠気を誘うような優しさと過酷な旅路を忘れさせてくれる心地よさがあった。
・フィリアは恐怖を知らない
・フィリアの自我の初期情報は親人類派、博愛主義といった思考ベクトルが備えられている。→人間社会に溶け込ませるため。
・博愛主義というのは「人間らしい」という意味合いにつながるのか?
 →繋がらないと思う。博愛主義という考え方は、文化的な生活を営んだ末に根付くものであると思うから。
 →「文化的な人間らしさ」という視点で見れば博愛主義は人間(文化的な)らしいのかもしれない。
・壊れかけのデリラを目的地まで同伴させようとするジュード。無駄な行為だとわかっていても「別に無駄で構わなかった」と吐き捨て車に乗せる行為は彼に大きな変化が起きている決定的な証拠
・フィリアが海を不気味に感じる理由
 →どれだけ地上で凄惨な悲劇が繰り広げられても、海は波音を変えずどこまでも傍観者だから?
・ジュードとフィリアはベクトルが真逆だが、同じ「人間らしくなる」ことへ収束していっている。ジュードは過去の感情に。フィリアは未知(未来)の感情に。
・死ぬ間際の感覚を描くのってすごい
 
 
 

終わりに

 
いかがだったでしょうか。僕のノベルゲーム趣味のきっかけになったようなライターさんの新作を今も楽しむことができるとは、当時は夢にも思っておりませんでした。
それこそ音沙汰を一切聞かないので、空に浮かぶステラ(お星さま)になったしまったんではないかと不謹慎なことを考えたりもしましたね……。
ここ数年、業界の知人が鬼籍に入ったり、好きなギャルゲーブランドが解散したりと暗い話を耳にする一方ですが、明るく未来を照らす一番星として今後も最前線で活躍されることを願うばかりです。
おまえはどうなんだって? ぼくはほら、惑星なんで取り巻きとして恒星様の周りをぐるぐる回り続けます←

それでは皆さまさようなら。また会いましょう。
 
 

【雑記】Magic: The Gatheringがなぜ高いのか

 

はじめに

うたのおねえさん:一人で楽しめるけど、一人じゃ遊べないものってな~んだ?

うたのおねえさん:うん! そうだね! クソ雑魚陰キャ御用達のTCGトレーディングカードゲーム)だね♪
 
なんともイラつく初句から始まった駿河台鯉幟のブログですが、今回のテーマはずばり「カードゲーム」
 
遊戯王を筆頭に、ポケモンカードヴァンガード、バディファイトにヴァイスシュヴァルツ、シャドウバース……と熱は冷めることを知らず、勢いを増す一方なTCG業界。
今回は、その中の一つ、
「世界で初めて生まれたカードゲーム、カードゲームの始祖」こと、
Magic: The Gathering(マジック・ザ・ギャザリングを紹介させて頂きます。
 

 

通称"MTG”だったり"マジック"や"ギャザ"と称されるこのカードゲームを私駿河台鯉幟は趣味の一つとして遊んでいて、始めてからざっと4年が経ちます。
オタク気質がある人間が新しい趣味を見つけると恐ろしいですね。
尋常じゃないスピードで沼に浸かっていく。むしろ飛び込んで喜々として潜っています。
後悔はしてますが、後悔はしてません(??????)
などと、支離滅裂な供述をする鯉幟ですが、
よく飲み会の場であったり、職場の自己紹介の場などで話のネタとしてmtgを話題にあげることがあります。
「名前は聞いたことあるけど、よく知らない」という方が多かったり、"とある話題性"を抱えたコンテンツなので、オタクじゃない人に向けても結構盛り上がり、場のつなぎとして活躍しているからです。
 
ブラックロータスだっけ? 持ってるの?」
「なんだっけ……あのむっちゃ高いカード……黒いタンポポみたいなやつ。やばいよね、たしか……」
「それTwitterでみた!! 600万とかすんでしょ!?」
「いやあ、札束で殴り合う貴族の道楽よねぇ」
 
ってな感じで……。
そうです。皆口揃えてmtg=高い。バカ高い」という方向で掘り下げてきます。
最近、日頃別のカードゲームを遊んでいる知人が興味を示し、僕に尋ねてきたんですが、
「遊ぶためにかかる予算」について説明したところ、即ドン引き。
結局「やっぱないわ……」と突き放されてしまう始末。
悲しいかな……今までギャザを誘って続けてくれる友人は片手で数えられるほどです……。
まじでみんな「高い」しか言わない……。
と、いうわけで。
一般人から見たら非常識なスケールを誇る"おもちゃ"に対しての「なんであんなたけーの??」という疑問を解消させたい!
題して、
 
マジック・ザ・ギャザリングはなぜ高いのか?」
 
mtgについて説明を交えながら、このカードゲームの「高さ」の秘密について独断と偏見に凝り固まった思考で紐解いていこうと思います。
 

MT:G ギャザについて

いきなり「なぜ高いか」について取り上げても理解しづらいので、
まず初めに、mtgについて「どういうものか」さらっと触れていこうと思います。
 

世界で最初のカードゲーム

遡ること約29年前、ウィザーズ・オブ・ザ・コースト社のCEOであるピーター・アドキンソン氏の考案によりmtgは誕生する。
彼は元々システムアナリストとして航空会社に努めていたが、テーブルトークRPGへの好きが高じてこの会社を設立。
1993年に初めての製品版『α版』を販売。翌年の世界大会を期に日本にも流通経路が生まれ、ホビージャパンと角川が先陣を切るようにして市場を展開していく。
(ちなみにこの2.3年後くらいに遊戯王が連載を開始する)
現在2022年までに100を越えるシリーズを販売し、ここ数年では『D&D』や『The Walking Dead』、『Stranger Things』など他メディアとのコラボを実施したりとコンテンツイメージを広げている模様。
 

マナを消費して魔法やモンスターを唱えよう

mtgは60枚の紙のカードで構築された"デッキ"を用いて対戦する。
ここで重要なのが、mtgのコンセプトを知ることだ。
それは「プレイヤーは魔法使いである」だ。
このカードゲームはTRPGの一面を見せており、各プレイヤーはmtg世界にいる魔法使いとして表現されている。
mtgはいわば魔法使い同士の戦いなのだ。
プレイヤーは魔力を消費して様々な魔法、強力なモンスターを召喚したり、相手の行動を妨害する魔術を唱えることができるのだが、
もちろん相手も同じように魔法を唱えることができるので、相手の行動に合わせて唱える魔法を選んでいかなければならない。
つまりmtgは魔法合戦をして勝敗を決める戦いなのである。
ここでいう魔力というのは、大地から発せられるマナエネルギーと呼ばれるもので、
魔法使いであるプレイヤーは呪文を唱えるためにマナエネルギーを得られる土地を有する必要がある。
なので、mtgのデッキはざっくりと
 
①呪文を唱えるために必要なマナエネルギーを生める『土地カード』
②土地カードからのマナを使用して唱えられる『呪文カード(クリーチャーや魔術)』
 
この2タイプで形成されている。(詳しく分けるともっとある)
 

基本ルール

シャッフルされた60枚のデッキから最初に"7枚"引き。お互いのターンにデッキからカードを1枚ずつ引きながら呪文を唱えあい相手のライフを削りきった者が勝利
もちろん呪文を唱えるためには「マナ」が必要なので、マナを生み出せる「土地カード」を持っていないといけない。
つまり「土地と呪文を上手い塩梅で引きながら相手へ攻めこむ」のがmtgの基本スタンスとして組まれているのだが。
必ずしも上手い塩梅で両者をひけるとは限らない。
土地ばかり引いてしまい、ろくに呪文を唱えられなかったり、呪文ばかりひいてマナを出せなかったりなんてことも起きる。
そんな運要素に振り回されながら、相手との魔法合戦に打ち勝つmtgだが、
超高速で相手のライフを削りきったり、相手に抗う術を与えるすきを与えず掌握勝ちしたり、相手のデッキを削りきり特殊勝利をするなど、デッキタイプによって勝ち方異なるのもmtgの大きな特徴である。
アグロ、ミッドレンジ、コントロール……etc TCGを遊んだ経験がある者なら一度は聞いたことがあるアーキタイプのジャンル名だが、これらの多くはmtgアーキタイプがもととなっているだろう。
 
とまあざっくりというわりに、ぐだぐだ長文をのせてしまいましたが、
mtgの概要についてはなんとなく理解してくれたでしょうか。
初めての方に向けて、僕なりの解釈を織り交ぜての説明となっていますので、表現が曖昧な点があることをご了承下さい。
より詳細について知りたい方は公式HPをチェック。
そして、次からは本題である「mtgの高さについて」掘り下げていこうと思います。
 
 

数字から見る価格の高さ ~有名な高額カード~

一般の方々から見たmtgのイメージ代表とも言える「高額カード」について触れていこうと思います。
 
BlackLotus
まずは誰しもが知っている、親の名前よりも耳にしたわけではないけどそこそこ聞いてる"BlackLotus”

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verによって値段幅は大きくありますが、30000000円
さんぜんまえん。
よくある高額カードというのは、「世界に一枚しかない」だったり「とある世界大会で獲得できる限定カード」というものが数多くありますが、
このblack lotusはそんなことはなく、"実際にお店で販売されたパックから出たカード"です。
そして、ルール上実際にデッキに入れて使用できます。ここも他の高額カードと大きく異なる特徴ですよね。
デッキは60枚構成ですが、内の1枚の値段が3000万。
もう少し掘り下げると、先述したverによっては100万円から購入できるものも存在するので
実際に使用するものはそちらを使っているプレイヤーがほとんどです。
されど100万円……。スケールがおかしいですよね(汗)
 
Time Walk
続きまして、おそらくBlack Lotusの次に名前を聞いたことがあるであろう"Time Walk”
こちら一つ桁が減って3000000円
さんびゃくまんえん。もちろんこちらも"実際にお店で販売されたパックから出たカード"です。
当然実際に使用できます。
 
他にも”Ancestral Recall"であったり有名なものは他にもありますが、割愛。
分かりやすく紹介してくれている動画を見つけたので、より詳しく知りたい方はこちらをどうぞ。

www.youtube.com



さらっと連続して紹介しましたが、これ「紙でできたカード」ですからね?
決して純金であったりダイヤモンドといった素材自体に価値のあるものを使用しているわけではございません。
水をかけたらふやけてしまいますし、ちょっとでも変な方向に力を加えたら曲がって折れてしまいます。
そんなものが3000万円……。世界がいかに広いか思い知らされますよね……。
では、これらがなぜ高いのかというと、
mtgの概要説明で述べた「世界で最初のカードゲーム」の「最初のパック」から出たカードだから。というのが理由の一つに挙がります。
カードゲームの歴史はざっと30年ほどと浅いですが、
現在までに世に出てきTCGは数え切れないほどあり、それらの前身とも言えるこのカードは歴史的観点からみても非常に価値があるというわけです。
そしてやはり「実際にプレイで使われている強カード」というのも大きいのではないでしょうか。
先述した通り、ルール上3000万円するカードでも使用が認められており、該当する遊び方では間違いなくデッキリストに入る一枚であり、これらは無類なき強さを発揮します。
実際、世界中にマニアがいるmtgでは「それでも遊んでみたい」という猛者は少なくありません。
また、この遊び方の公式大会も定期的に開催されているので、需要がなくなる可能性が低い分、値段が下がることがないわけなのです。
 
 

数字から見る価格の高さ(~普通にプレイするには~)

いきなり3000万円のカードをご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。
といっても、上記のものはmtgにおいて数ある遊び方のうちの少数のルールでしか使用できないので、
他の遊び方をメインとするユーザーの大多数においてはあまり関係ない話なんですよね。(遊ぶ上では)
ではその大多数のユーザーと遊ぶためには幾らくらい必要かというと

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またもやmtg専門店として有名な晴れる屋さんが、各フォーマット※によってデッキ販売コーナーを用意されていたのでこちらを引用します
 
スタンダード:3~5万円
イオニア :3~8万円
モダン   :5~15万円
レガシー  :15~40万円
 
※フォーマット:遊び方の種類名称のこと。
上記は対戦ルールは同じだが、使用できるカードの種類が異なるものです。
↓に行けば行くほど古いカードが使用でき、種類が増えていきます。
 
恐らく「スタンダード」フォーマットが他のTCGシリーズとの相場に近いかと思われます。
遊戯王も強くてレアリティの高いカードを集めたデッキを作ろうとすると、このくらい費用がかさみますよね。
それでも「おもちゃに3万円」は学生から見ると非常に高額ですし、「大人が出せる金額」という印象が強いですよね。
そして、目を通してみてもわかるように、使用できるカードの種類が多いフォーマットになればなるほど、費用が上がっていくことがわかります。
これはなぜかというと、簡単にいえば『mtgは古いカードのほうが強い』からです。
他のTCGシリーズとは大きく異なる特徴なのですが、mtgで新録されるカードは『基本的に昔のカードよりも弱い』です。
理由としては幾つかあるのですが、簡単にいうと

①”BlackLotus”みたいな強いカードをまた世に出してしまえば遊びが崩壊してしまう
②”BlackLotus”みたいな強いカードをまた世に出してしまえば”BlackLotus”の価値が下がり、小売店の商売に大ダメージを与えてしまう
 
ようなものが挙がります。
当然「強いカード=高い」わけで、強いカードが多いフォーマットを始めるために掛かる費用はその分高額になっていきます。
なので、mtgはスタンダードを入り口として遊び始め、さらなる刺激を求めるプレイヤーたちが他のフォーマットに手を出していく流れが一般的ですね。
”BlackLotus”が使用できるフォーマットは「ヴィンテージ」と呼ばれ、500万円~1000万円帯のデッキが使用されています(?????)

www.youtube.com

ちなみに僕は「モダン」を遊んでいるのですが、初めてデッキを作ろうと踏み切ったときは金銭感覚も一般人寄りだったので、
毎月2万円とか少しずつカードを買い集めて、半年ほどかけて完成させました。
 
 

なぜ高いのか(封入編)

それでは、"普通にプレイする"にもお金がかかることについて掘り下げていきましょう。
他のカードゲームと比べてなぜそんなにもお金がかかるのか、そこにはカードの単価に秘密が隠されています。
 
■1packの内訳  (300~500yen)
コモン:10枚
レアor神話:1枚
基本土地:1枚
 
(さらにトークンor広告カードが一枚封入しています)
※↓に行けばいくほど、レアリティは↑ 効果も強くなります。
 
■1box(36pack)の内訳 レアリティ降順(13000~15000yen)
コモン:各4枚ずつ?
アンコモン:ほぼ1枚ずつは揃いそう
レア:30~32枚ほど(ダブりなし)
神話:4~6枚ほど(ダブりなし)
 
■各弾の内訳 レアリティ昇順
神話レア:15~18(ダブりなし)
レア:約50(ダブりなし)
アンコモン:約60 
コモン:約90
 
これは
・1packの封入率
・1boxの内訳
・1テーマ(弾)の内訳
をざっくり数値化したものです。
多少の誤差はあれど、おおよそ記載した内訳になっています。
 
基本的にmtgは「カードが15枚入ったパック」から購入が可能です。
ただ、1パックずつ購入を繰り返してもレアカードが当たる確率が等倍なので、他のTCG同様にキリの良い数で一纏めにしたboxが販売されています。
そうすることで、各boxの封入率を均等にわけて、よりレアカードを手に入りやすくしたわけですね。
例えば、とある弾で収録されている神話レア15枚のうち、目当ての神話レアのカードが一枚あった場合、
1boxの中に平均で4枚封入されているので、4/15。 
1boxを買うと、およそ26%の確率で目当てのカードを引き当てることができます。
 
この中に多くのデッキに4枚採用が確約された神話レアのカードがある場合。
4枚揃えるにはおおよそいくらかかるかと想像したら、価格の高さがイメージしやすいと思います。
先述したように神話レアが手に入りやすいboxを買っても、目当ての神話レアが複数枚入っていることはなく、1枚入ってるか入っていないかです。
「必ず一箱で1枚当てる」と想定しても13000円のboxを最低4箱、72000円分買わなければ、デッキに組むことができないのです。
 
ではそのようなカードが小売店で販売されていた場合、単品でいくらの価値がつくのかというと、
上記の条件で、見積もられる単品での小売価格は平均4000円以上するかと思います。
boxの約1/3の値段ですね。 ちょうどさっきの26%に近い数値でもありますね。
ただし、4000円という数字は「この弾には、該当するカード以外にも強いカードもあって、いっぱい買われた人気box」という前提があります。
他のカードだけ欲しい人もいるわけで、いい感じに価値が分散していきます。それでもboxの1/3の値段ですが……。
逆にもしも、「この弾には、該当するカード以外は弱くて、買われない不人気box」だった場合、価値は跳ね上がり6000~10000円越えなんてこともあります。
boxの価値=該当するカードというわけですね……。
直近のものですと、13000円のboxで当たる神話レアのカードで予約価格が9000円というものがありました。

その逆も然り、予約価格は2000円で発売後の価格はは9000円なんてのも。
 
というように、mtg「目当てのレアカードをパックで引き当てるのに、他よりお金がかかる」からカード1枚の単価が高くなるわけなんです。
ましてや、モダンやレガシーといった使用できるカードが多いフォーマットはすでにboxが販売されていないものも多いです。
そうなってくると希少価値も相まってより高額になってきます(震え声)

それでも買う人がいる

これは半分都市伝説、肌感に近い推論ではありますが、
「高額でも買いたいと思うユーザーが数多くいる」のも大きいのではないでしょうか。
TCGの人口分布的にmtgは他のTCGよりもやや少なめです。
しかし、それにも関わらずカードが高額で取引され続けているのは、それだけ熱心なファンが多くいる証拠だと思います。
なので、Black Lotusの市場価値は今も尚高騰し続けており、当時の10倍、20倍近くまで跳ね上がっています……恐ろしい。
 
 

終わりに

mtgがなぜあんなに高いのか」無事理解できましたでしょうか?
私自身もまだまだ新参者なので、説明不足な点は多数あるかと思いますが、
これまたざっくりと大枠について触れられる内容になっているはずです。
もしもどこかでmtgの話題に触れた時、皆さんの周りで同じように疑問符を浮かべてる人がいたら教えてあげてください。
そうして一人でも多く、mtgに対して距離を近づけていってもらえれば幸いです。
そしてあわよくば、手にとって遊んでもらえるともっと嬉しいです。
そうです。あなたがmtgをのぞく時、mtgもまたこちらをのぞいているのです……。
mtgおよびmtgプレイヤーは皆様の参加を心よりおまちしております。
 
いやまぁ……「高いこと」は分かったけど、「高い問題」については何一つ解決してないんだよな……。
 

【感想】最近の日常的不可思議

はじめに

梅雨が明け、夏が到来。
猛暑に苦しむ中、今度は台風やらゲリラ豪雨やらで窓を打つ雨音に気を取られがちな今日このごろ。
皆さんこんにちわ。
今宵もなにかを綴るため、重たいゲーミングキーボードの位置を調整し始めました。
以前の自己紹介記事で「これから良いなと思ったものを備忘録として記録していく」と申し上げたと思いますが。
早速「お、良いなこれ」と感じるものがありましたので、記事にしていこうと思います。
 
今回とりあげるジャンルは「ノベルゲーム」です。
日頃私が趣味として嗜んでいるゲームジャンルの一つですね。
そして、これから紹介する作品は『最近の日常的不可思議』です。
 

最近の日常的不可思議

novelgame.jp

 

ノベルゲームコレクションという、「ティラノビルダー」と称されるノベルゲームエンジンや、それに付随するツールの開発元の方々が運営しているサイトに投稿された作品です。
投稿主は"Plastic Tekkamaki"というサークルさん。
本作だけではなく、以前には
非実在都市伝説の作法 Imaginary Fakelore』
『深夜徘徊のための音楽 beats to relax/stray to』
 
上記2作を手掛けて公開されています。
 
サークルHPというか、サークル主さんのサイトはこちら
 
 

本作を知ったきっかけ

私が本作を知ったきっかけはいくつかあるんですが、
まずはこちらのつぶやきがTLに回ってきたこと。

 

日頃プレイさせもらっているノベルゲームとは明らかに毛色が異なる。異色めいた空気を感じて目が釘付けになったを覚えています。
CG(動画)の表面にノイズを走らせる工夫とか、むっちゃおしゃれ且つエモいですよね。
キャラクターやお話で魅せるというよりも、ぱっと見の世界観、いわゆる"側"から何かを主張してきそうなインパクトを受けました。
 
他の要因としては、
同時期に毎年参観している「同人ゲームオブ・ザ・イヤー」の表彰式に、
前作『非実在都市伝説の作法 Imaginary Fakelore』が紹介されていたのを見たことが大きかったです。
その時はFakeLoreという単語が既に造語として存在していたことを知らず、
「この人はFolklore(伝承)とFakeをかけたFakeloreという造語を考えたんやな。ちょーセンスある!!」と勘違いして一人で勝手に盛り上がっていました笑
 
そんな出来事を経て、後日先程のつぶやきとFakeloreが同一人物のものであることを知り、2回も唸ってしまったからには是非ともプレイしてみたいということで、
この度、三作目『最近の日常的不可思議』をプレイさせてもらいました。
 
というわけで、感想を書いていこうと思います。
 
 

あらすじ

フリーライターとして駆け出し中の瑛は、取材で訪れたカフェで出会った高校生男女二人によって、奇妙なループに巻き込まれてしまう。
「永遠に月曜日を繰り返す」この事象についてなにかを知っていそうな女子高校生の理素と男子高校生のミズミからそう告げられる。
何百ものループを繰り返しているらしい彼女たちを見て、庇護欲を掻き立てられたのか、ちっぽけな責任感に促されたのか、瑛は彼女たちの脱出計画に協力することに。
 
 

どんな話?

永遠に月曜日を繰り返す世界線に放り込まれてしまった3人が基本ゆる~く脱出計画を練っていく。
ひたすら月曜日を繰り返すだけ。なんてことないループものに見えて、理素達が被ってきた被害は想像以上に深刻だったりする。
癒えるか分からない傷に苛まれつつも、日々を楽天的に送ろうとする二人の健気さに胸を打たれた瑛は、大人として二人にしてあげられることはなにかないのだろうかと模索を始めようとする。
と、いいつつも、いつものゆる~い"月曜日"をまた始めていく。
 
 

感想

しっとりと時間の流れを感じられるlo-fihiphopなBGM、シックな色合いのUI、
モノクロTVに映されたようなノイズが走るCG、不可思議にループする月曜日、
廃墟と化した学校、プロ崩れなフリーライター、何万回とループし続ける二人の男女高校生。
それぞれのパーツが組み合わさることで作り出されたこの世界観は美しく完結していて、惚れ惚れするような魅力に満ちていました。
ある種これもゲーム体験の醍醐味の一つとも言えましょう。
端的に言うと、作者さんのセンスがやばい。
UIなんて特にそうで、使い勝手悪い要素盛りだくさんなのにストレスを一切感じず、
ずっと眺めていたくなります。
ストーリーに関しても世界観に劣ることなく、これまた魅力的でした。
ループものというと、とにかく事態の解決に邁進するイメージを持っていたのですが、
本作は無理に急かそうとはせず、「そのうちなんとかなるっしょ」と気だるげにその日その日の日常が流れていきます。
そして、日常で繰り返されるなんてことない会話から、徐々に胸懐を暴くかのように彼らが抱えていた悩みや不安が浮き彫りになっていくのですが、
大人とは違い成熟しきっていない多感な彼らなりの悩み、将来に対する焦り、今置かれている立場について高解像度で描かれています。
大人から見ればなんてことない問題かもしれないけど、彼らにとっては僕らが思う以上に大きなスケールでのしかかり、精神を苛んでいるということ。
彼らの「今とこれから」はかつての自分の中にも確かに存在していた感情で、少し思いを馳せたくなります。
また、彼らが抱くものを傍で見ていた大人の瑛が思う「今とこれから」にも重なるものがあり、僕らの「在り方」について、ほどよく刺激を与えてくれる作品だと思いました。
「ループの行く末を追う」作品ではなく、「ループしているキャラクターの人物像に迫る」作品です。エモい。
 
 
lo-fihiphopだったりネオシティポップだったりchilだったりオルタナだったりするBGM
BGMは全曲自作されたとのことですが、とっっっっっっても良かったです。
私は日頃、考え事をしたい時や夜中寝られないときに"Lofi Girl”が24時間流し続けているBGM動画をよく聴きます。
動画から流れてくるスローペースで一定のリズムを刻むメロディたちは、どれも柔らかいぬくもりや雑味のない透明感があって心身を気持ちよくさせてくれるからです。
本作を起動し、テキストを読み進めようとじっと画面見つめた際に流れた音楽を聞いたときはデジャヴでした。
”lofi hip hop radio”で得ていた癒やしと同じものを本作からも感じてしまったのです。
この動画で流れていてもなんら違和感がないメロディが作中ずっと流れているのです。
それは従来のノベルゲームからはほぼ摂取できない要素で、このような形で日頃の癒やしと再会できたのはとても嬉しかったです。
作者さんの音楽センスに感謝です。
そしてこれらをすべて無料でDLできるという大盤振る舞い。
お気に入りは以下の三曲です。
C19_SadGuttar
C24_TightSnaredGuitar
C56_KeyWithShaker
 
 
モラトリアムは前進するために同居する。
ループ現象に巻き込まれた瑛は理素とミズミと共にこの現象を解決しようと模索しますが、
「なにもしない日がある」「楽しくやりたい」と彼らは悠長に月曜日を過ごしていきます。
手がかりもなく、理素がなにかを知っていそうな素振りを見せるも話そうとしない。
なんとももやっとする状況に瑛が下した判断は「彼らの自主性を重んじる」ということ。
それは彼女たちを想ってのものだった。
僕らは常に前を向き前進しなくてはなりませんが、時には一度立ち止まってゆっくりするのも前を向くために必要になっていきます。
それこそ多感な時期を生きる理素とミズミにとっては身体のこともありますが、
悩みと向き合うためにも、前進するためにも立ち止まることは決して悪手じゃないはず。
無理に介入せず傍観することを選んだ瑛は大人として良くできてるなあと、謎に感心してしまいました。
そして、最後まで彼らの路線を無理やり切り替えることなく「私達らしさ」を尊重にして火曜日に進もうと舵を切ったのもの好感が持てました。
確かに瑛が無理やり路線を変えてスリリングなSFアクションものになったりでもしたら、それはそれで「この作品らしくない」
彼女がつくりだす、ゆるやかな空気感は作品において良い意味で影響を及ぼしていると思います。
むしろ逆説的に「この作品らしい」というのはきっと「瑛らしい」なのかもしれません。
物語を早めたり、緊張感をもたせるのも瑛がもっと真面目な人間だったらきっとなっていたはず、でもそれは瑛が"ああいう人"だからやらなかった。
どこかだらしなく、ひねくれもの。それでも超えちゃいけないラインは見誤らない。そして人を信じられる思いやりを持つ。
本作の有り様を瑛が体現化してくれていました。
 
 
人間は「変化」を求める生き物である。
「一生楽できるループ日常」と「現実」どちらがいいか。
一生ループする日常とは違い、現実には辛いことがたくさん待ち構えているかもしれない。
なのになぜ、明日を臨もうとするのか。
理素とミズミはループを繰り返すせいで、記憶障害、味覚障害、自立神経失調症等、心身に大きなダメージを負ってしまいます。
彼女たちにとって「火曜日を迎えること」はそれらの障害から脱却することを意味することでもあるのですが、
そんな二人に瑛は度々将来について質問を投げかけます。
大人になったら何になりたいのか。
ループを繰り返し、"今の自分"に慣れてしまっていた二人は、それぞれ「こんなふうに変わりたい」というぼんやりとした夢を語ります。
そこには嘘はなく、純粋な期待と憧れが詰まっていました。
ループが続く限り夢は叶うことはなく、ループから抜けたとしても叶わないかもしれない。
けれど、ループさえ抜ければ可能性はゼロではない。むしろ無限大に広がっているはず。
ループという事象により、"将来を奪われてしまった"若者が語る夢と未来は切なくもありながら、芯の通った強さがありました。
人間は変化を求める生き物――
変化を望むからこそ夢に憧れを抱き、今に絶望しなくて済む……。
恐らくあの世界で一番それを願った二人が未来を語るのだから、そうに違いありません。
今在る日常に慣れきっていた私ですが、EDを聞き終わった後、ふと何もない天井を見つめ、見えない明日を想像している自分がいました。
面白かったです。
前作の登場人物が主人公とは知らなかったので、前作も是非やりたいです。
 
 
雑感(プレイ中に残したメモっぽいものを箇条書きにあげときます)
・文章のリズムが独特。「~なんだぞお」と語尾が「お」なのも見慣れないせいもきっとある。
・製作者さんmtgやってそう。
・映画も好きそうというか、好きじゃなきゃ説明入れないと思う。
・大昔の事象や詩が絡んでいくあたり、ゴジラSPみたい。この地に根付いた伝承を紐解くと実はSFだったみたいな。
・瑛のオーバーサイズなパーカーの下にadidasっぽいトラックパンツとオニツカタイガーみたいなスニーカーを合わせた服装はなんか今風で良い。
・「歩みがどれだけ遅くても、行く先が美しくなくても、足を止める理由にはならない」その思考が妙にドライで現実的というか、非現実にいたとしても思考や生き方は変えらないというのがこの作品を言い表しているようで印象的
・高校生にマジレスされる26歳よ。
・ゆるいギャグトークのとその合間に挟まれる思春期特有の青春事情だったりループ解明の調査の塩梅が絶妙だった。
・やっぱり製作者さんmtg好きそう、アリーナやってそう。
 
 

終わりに

最近の私は多趣味な人間になっているのか、なかなかノベルゲーム単体に時間を割くということが難しく、プレイスピードが落ちてしまっています。
ただ、こういった自分の好みにドンピシャな作品に出会えるとモチベーションが上がりますね。
他にも並行して進めていた作品があるんですが、どんどんプレイしていこうと熱が増しています。
こういう時こそ「月曜日がループすれば」永遠にノベルゲームがプレイできるのに……
 
お後がよろしいようで。
 
それでは皆さまさようなら。また会いましょう。
 
 
 
 
 

初めましてと始めまして ver1.04

 

はじめに

7月も中旬、6月に訪れた梅雨が一瞬で過ぎたと思いきや、月を跨いでぶり返したりと破天荒な天気が続く今日このごろ。
どこぞの誰かともわからないクソ野郎がブログをしたためようと、重たくてしょうがないゲーミングキーボードの位置を調整し始めました。
どうも私、駿河台鯉幟と申します。見るからに本名ではありませんが、以後お見知りおきを。
検索してみるとわかります、かの有名な浮世絵画家の作品の一部を名に冠する不届き者ですが、ご覧の通り、ブログを始めました。
いえ、始めましたというのは語弊がありますね。正しくはブログを"また"始めました。
記事の履歴から辿るにざっと6年。時が経つのは早いですね。初めて記事を書いた日のことを昨日の出来事であるかのように鮮明に覚えてます。
光陰矢の如し、歳月人を待たずとはよくいったものです。
輝かしい記憶ほど都合よく鮮明に覚えていて、時間という感覚を狂わせます。
あの頃は楽しかった。根拠のない万能感に背中を押されて、作品達に対する思いの丈を駄文に乗せて綴ったものです。
 
ウソです、全く覚えてません。なんなら自分がブログサイトを所持していたことすら忘れていました。
てか何故に当時の俺ははてなブログなんて洒落乙なサイトに寄生してるんだ……。
FC2みたいな俗サイトじゃ満足できんかったんか……。
 
戯言はさておき。
この度、久しぶりにブログを書いてみようと思い立ったわけでして、これから徒然を紛らわす為、素晴らしい作品と出会えた感想を書き記す為に、不定期にはなりますが綴っていこうと思います。
不特定多数の皆々様何卒よろしくお願い申し上げます。
 
とまあ、ご挨拶をさせていただいたわけですが、これだけじゃあ味のしなくなったガムよりも味気ないので、
簡単な自己紹介を記載しておきます。どうぞご自由に人物像をご想像ください。
 
あっ、ブログっていっても、きしょいオタクの趣味ブログなんで……ええ、すみません……。
 
 

基礎ステータス

○名前:駿河台鯉幟だったり、^2underぐぬぬだったり、尾瀬の水だったりしてます。交流の場によってバラバラ。
○性別:ヒト属の雄です。
○年齢:もうすぐ30になりそう……
○職業:ゲームプランナー
 
 

~好きなもの~

 

ノベルゲーム(美少女ゲーム/乙女ゲーム/BLゲームなんでも全部)

先述した通りオタクなのでアニメや漫画、ゲームが好きなんですが、とりわけノベルゲームを主食としています。(たまにLOLに浮気する)
もうすぐ10年届くかなくらいの歴なんですけど、いうほど詳しくない。
食指が動きそうなものであればジャンルを問わず手を出します。
初めてエロゲを買ったときは通販で2つほど購入したのですが、「なんかかっこいいぞ」と全く気づかずにBLゲーを一つ注文してたくらいには好みが雑多。
そして商業ブランドがリリースしている作品から、個人で配布&販売している同人ゲーム作品まで手広く遊んでいます。
 
■好きな作品(商業ブランド)
カルタグラ / innnocentgrey ※18禁
Forest / Liar-Soft ※18禁
SWAN SONGLe.Chocolat ※18禁
 
■好きな作品(同人)
滅び朽ちる世界に追憶の花束を / 郷愁花屋
さようなら、援交娘さん / 夜のひつじ ※18禁
対ノ日 -in the latter half of the 90’s- / inspire ※18禁
 
ご存知の方は見てわかる通り、結構暗めな話が好きみたいです。
そこにこだわりがあるわけではないんですが、「面白い」と琴線に触れる時はショッキングで刺激的なシーンが描かれているタイミングが多いです。
リンクが貼れていないものはサイトが閉鎖していました涙
 
ていうか※多すぎだろ。
 
 

M:TGマジック:ザ・ギャザリング

当方オタクであるゆえに決闘者でもあります。
といっても外国産の決闘者。カードゲームの始祖。"mtg"こと「マジック:ザ・ギャザリング」を趣味の一つして楽しんでいます。
好きな色は緑と黒と赤
 
 

スニーカー

靴、スニーカーが好きです。
NIKEAirMaxシリーズとadidasyeezyシリーズが特に好きです。
これでも学生時代はスポーツに青春を捧げていた人間で、身体の健康を考えてハイテクシューズを手にしてから上記のシリーズの虜になりました。
もちろん他のスニーカーも集めています!
家に70足はある。
 
 

ライブ

アーティストのコンサート、音楽フェスに行きます。
ジャンルはEDMからラウド系、はたまたエロゲソングまで幅広く対応しております。
直近はまもなく開催されるであろうULTRAJAPANが楽しみです。
Martin Garrix来てくれ……

www.youtube.com

 

終わりに、このブログについて

いかがでしたでしょうか。
私の人となりは掴めましたか? 
基本箇条書きで羅列していっただけなので、ざっくりとしか伝わらなかった……かな?
全然わからなかった場合は胃カメラの画像でも提示すればいいんですかね? 
今後ぽつぽつと記事を上げて行こうと思っていますので、一晩煮込んだ鶏ガラ出汁のように人柄がじわじわにじみ出てくるはずです。 ガラだけに。
 
このブログは基本色んな作品のレビューとして扱おうと思っています。
いや、レビューというのはおこがましいですね。身勝手な感想をまとめていきます。
9割自己満足のためです。備忘録としての役割が大きいです。
発信するよりも、消化したい派。 
以前は美少女ゲーム専用のレビューサイトに都度こしらえていたのですが、美少女ゲーム以外のメディアを記録出来ないので、色んなことをまとめるためにブログという手段をとりました。批評空間は批評空間で続ける予定
それでも誰かから反応が来るときっと泣いて喜びます。

自己紹介を見るからにノベルゲームしか語らなさそうな雰囲気が漂っておりますが、
「なんか書き記しておきたいな」と思ったものを記事にしていこうと思っています。
恐らくジャンルは多岐に渡るかもしれないです。
美少女ゲームから海外ドラマ、教育論についてなんかの記事が上がる可能性もゼロではない。
poifulつぶグミだって、一袋で色んな味が楽しめるからこそ飽きが来ないし、また食べてみたくなるしね!!

偏屈な言い訳を並べてますが、皆様どうかこのブログの行く末を暖かく見守っていただけると幸いです。
 
それでは皆様さようなら、また会いましょう。
 
 
ちなみに一番好きなpoifulは「赤ぶどう/白ぶどう味」つぶグミは「濃厚ぶどう味」です。